- 一つ捨てたら一つ買う──物を大切にする暮らしのルール
- 衣類は10年以上着て当たり前
- 夫に言われた「貧乏性」の意味
- 「ありがとう」を伝える習慣
- 物を増やさないことは、管理を楽にすること
- 貧乏人はミニマリストになるしかなかった
- 「いつまた貧乏に戻るか分からない」からこその備え
- まとめ:物を大切にする心が、暮らしを守る
一つ捨てたら一つ買う──物を大切にする暮らしのルール
私たち夫婦は、どんな物でも「古い物を捨てた時にしか、新しい物は買わない」というシンプルなルールで暮らしています。これはただの節約術ではなく、人生を豊かにするための選択です。物を減らすことで管理がラクになり、心も暮らしもスッキリする。このルールを守ることは、私にとって「物を大切に扱うこと」と同義です。
衣類は10年以上着て当たり前
私は衣類をめったに買いません。部屋着や下着にいたっては、10年以上同じものを着ていることも珍しくありません。特に見せる相手がいない室内では、「破れたって着られればいい」という感覚で暮らしています。
私はとてつもなく貧乏な家に生まれたので、破れた服を着続けるなんていうのは当たり前の感覚です。洋服がどんなにみすぼらしくなっても、着られるうちは着る、洋服なんて隠すべきところを隠せればいいという感覚です。
実際、30代の頃にふと「このタンクトップ、中学の頃から着ているなぁ」と気付いたことがありました。それほど、物を長く使うことが私にとっては当たり前のことなのです。
関東に引っ越してきたのは15年以上前ですが、その前から履いていたパンツも現役でした。ゴムがゆるくなっても、穴が開いても、自分で直しながら使ってきました。今でも「直せば使える」と思ってしまうところがあります。
夫に言われた「貧乏性」の意味
夫は中流家庭で育ち、私とは対照的に「服はみすぼらしくなったら捨てて新しいものを買う」タイプです。
ですから、私が何年もみすぼらしい穴の開いたズボンを履いている姿を見て、「新しいパンツを買いなよ」とたびたび言ってきました。
それに対して私は「ゴムを入れ替えればまだ履ける」と答えたのですが、そのズボンにはゴムの入れ替え用の穴がなく、しかもゴムが縫い付けてある構造でした。ミシンの使い方も忘れてしまった私は、泣く泣くこのズボンを捨てる決断をしました。
でもただ捨てるのではありません。私たち夫婦は、靴でも衣服でも、捨てるときには「今まで頑張ってくれてありがとう」と言葉をかけて手放します。それは、物にも魂があると信じているからではなく、「自分の人生の一部を支えてくれた物」への感謝を忘れないためです。
「ありがとう」を伝える習慣
夫はもともと物にあまり執着のない性格でしたが、私が「靴さんにお礼を言って」と促したことで考え方が変わりました。「今まで俺の足を守ってくれてありがとう」とつぶやきながら、履き潰した靴を見て涙ぐんだ姿は今でも覚えています。
物を買うためには労働が必要です。血と汗と涙の結晶であるお金で買った物だからこそ、その一つ一つを大事に使いたい。壊れたら直す、直せなければ感謝して手放す。そのサイクルこそが、私たちの暮らしの根幹を支えてくれています。
物を増やさないことは、管理を楽にすること
私たちのクローゼットは、オールシーズンの服を合わせても1つのクローゼットに収まる分しかありません。これは意図的にそうしているのです。
過去には、上司に「お前はいつも同じ服を着て、いくら貯め込んでるんだ? 2000万か? 3000万か?」と冗談交じりに言われたこともあります。でも私は全く恥ずかしいとは思いませんでした。なぜなら、物を大切にすることは私の価値観の中核だからです。
その結果、かつて全く資産がなかった私たち夫婦は、いまや4桁万円の貯蓄を持つまでになりました。
貧乏人はミニマリストになるしかなかった
物を減らすことは、私にとっては「選択」ではなく「必要」でした。学生時代、8畳もない寮の2人部屋に住み、1.5畳ほどのスペースにすべての私物を詰め込んで暮らしていました。
教科書、調理器具、衣類、タオル、パソコン──それらを学習デスクとともに、すべて収めなければならなかったのです。
実家とは18歳で縁を切り、それ以来「頼れるのは自分だけ」「持てる物は1Kの部屋に収まるだけ」と考えて暮らしてきました。その生活の名残は今でも根深く、広い家に引っ越した今でも、物を増やすことに強い抵抗を感じます。
「いつまた貧乏に戻るか分からない」からこその備え
現在、私たちは分譲マンションを購入し、以前よりずっと広い家で暮らしています。でも、未来はどうなるか分かりません。夫は転職を繰り返すタイプで、これまで運良く給料アップを実現できてきましたが、年齢的にこれからは給料が下がる可能性もあります。最悪、職が見つからないことも想定しておかなければなりません。
だからこそ、物を増やさない。物に依存しない。物を大切に使い切る。これが我が家の「もしもの時」に備える一番の防衛策です。
まとめ:物を大切にする心が、暮らしを守る
「一つ捨てたら一つ買う」というミニマリズムの基本を守ることは、節約にもつながり、心の安定にもつながります。物を捨てるときには「ありがとう」と声をかけ、物に感謝の気持ちを込めて手放す。
それは、過去の自分への労いであり、未来の自分を軽くする行為でもあるのです。余計な物を持たない生活は、結果的に「自分らしい暮らし」を手に入れることにもつながっているのです。
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